この間、模試などを見ていて、もう一度、基本的なことを確認します。模試やテストの現場で忘れているところがあるように思うので。
以下、かなりランダムになりますが、とりあえず心にとめておいて欲しいことを列挙します。
(1)マーク式のテストも記述についても、
必ず開始直後に全体を見渡すこと。全体を見て、その時間の
戦い方を組み立てること。
記述の場合、どのくらいの点数をとるのかの
ターゲットを明確にもってください。スポーツで言うと「ゲームの組み立て」みたいなものが必要です。投手戦になると判断するのか、打撃戦になると思うのかで、その局面での作戦が変わって来るみたいに、例えば
数学で5問中3問を絶対にとる、と考えるのと、4問とると考えるのとでは、試験中にやるべきことは全然違います。
逆に言えば、解く問題、解かない問題を明確に区別してください。攻めどころと守りどころを明確にするということです。
(2)大問中の
小問は必ず全部目を通すこと。とくにマークでは絶対です。
全体の流れを掴まないと問題へのアプローチがなかなか見えてこないこともあります。またマークでは、後半を見ると、そこにヒントが隠されていることも少なくない。
ゴールを見ないで走るな。
(3)現代文など。
① まず
設問の確認から始めること。(ただし
選択肢を読んではいけない。迷います) どこに傍線部があって、その傍線部について何をきいているのか。説明か、理由が、結論か、言い換えか。それを掴んで本文に書き込み、その上で、
本文全体をまず読むこと。全体を、ですよ。
② 問題文を最後まで読まずに解答にかかるのは言語道断です。
国語は、
必ず筆者の主張が何か君たちは読めていますか? ということを問題の基本に据えてきます。だから小問のどれかは(あるいはすべては)必ず筆者の主張に関わっています。あるいは主張を掴んでいなければ解答できないものになっています。
だから
全体を読まずに、筆者の主張を掴まずに各設問に答え始めるのは、最初から間違えるべき道に入り込んでいるようなものです。
③問題文を読むとき、必ず、段落ごとの要旨をしっかり押さえ、段落構成を捉えていってください。これは主張を掴むためにも、あるいは設問をどの範囲で検討すればいいのかを掴むためにも必要な作業です。
④当たり前だけれど、意外にやられていないことの一つが、
傍線部そのものについての検討です。これが非常に弱い。
特に傍線部が一文全体やそれ以上の長さがあるような場合は、その
論理構造をしっかり掴んでください。また文の一部にひかれている場合は、
必ず、その一文全体を検討してください。
その際、
主語・述語・目的語、原因と結果、何が条件節で、何が主節になっているのかをハッキリさせてください。中でも非常に大切なのに、曖昧に捉えられているのが述語です。
これはとてもとても大切にすべきものです。実際に選択肢を検討するときの決定的な判断材料になることが多いのです。
述語は、その文の結論になっていますから、そこが食い違っている選択肢は、その段階でほぼNOです。その
文の結論をキチンと正確に捉えておかないで、傍線部の検討はできないのです。
(4)物理
必ず解答を物理的に評価してください。そうすれば少なくとも符号ミスなどはあり得ません。
例えば、ドップラー効果で、音源が近づいてくるのに周波数が低くなるなどありえない。そういう結果が出ているのに、判断をしないで平気で通過しては絶対にいけない。ものの15秒です。必ず
物理的に妥当な結果が出ているのかどうか評価してください。
さらに不安な場合は
ディメンジョン(次元)のチェックをしてください。
ディメンジョンの検討は日頃から行ってください。いわゆる
<公式>といわれているものが、どのように成り立っているのか、その構造が掴めてきます。結構大切です。
ついでにいうと、物理の式は、左辺と右辺で、次元が同じになっていないかぎり等式にはできません。基本的に1リットルと1メートルをイコールにすることは、高校の物理ではできない(数学では抽象化するのでアリですが)。
……いけない、いけない。物理について書き始めると途方もない長文になるので、この辺で割愛。
けれど自制しながら一つだけ。
力のつり合いの式は、基本的に「=0」にしよう。
「つり合っている」という状態は、物理的にはその質点(質点系)に加えられている外力の合力がゼロ、ということです。つまりF=0です。だからF=maの、a(=加速度)がゼロになるわけですから。合力がゼロというのは、運動方程式の特別な場合だと言うことです。簡単に左右に「つり合っている」力を振り分けて式を作らないようにしてください。
(つり合う、という言い方につられるのかな?)
(5)数学
センター数学を甘く見ないこと。二次の記述同じように、まず全体を見て、解ける問題から解く。できるだけ完答する。1問完答すれば落ち着く。そうすると難しそうに見えた問題が急に解けたりする。
その上で必ず各大問では、その論理の流れの全体を捉えてください。
そして、この小問を間違えたらこの後ろが全滅、というような問題は、必ず
その場その場でチェックしてください。後から気がついたりすると全部やり直しになって時間切れになります。
私などは不安に思うような式変形のところ、例えばかなり多くの項数を整理しないといけないようなところは、その
式変形のところでまずは一度、確認して大丈夫と確信したところで次に進んでいました。時間がなくて、まぁ、大丈夫だろうなんて思って進んだときほど、大失敗するものです。
確実に、しっかり確認しないといけないところは分かりますよね?そういうところは絶対に確認してください。
そういうところのツメに厳しさと甘さが大きく結果を左右するのです。
(6)全体に
もっともっともっと問題文を読んでください。
問題の読み違い、読み落とし、かなりたくさん出ています。
いろいろ話をしていると、そもそも
問題を読む回数が全く少ないと思う。個人的に言えば、問題を一読してすぐに解き始める(解けるような問題でも)ようなことはまずありませんでした。こうなるのかな?と思いながら、また読み返し、条件を書き出し、書き出した条件をまた問題文と照らし合わせる。そうやって解いていました。なかなか
解けないとき、途中で行き詰まったときは、必ず問題に戻ってください。問題にすべてのカギがあるのだから、
そこ以外に戻るべきところはないのです。
けれども、あまり問題文自身には戻っていない。
3,4日前にちょっと難しい問題を解いていました。その時はたぶん、10回以上は問題を読んだのではないだろうか?その時に、なぜここはこういう書き方をしているのかな?などと言うことに気がついたりします。そこから糸口が見えたり、どうしてこの座標が与えられているのかな?どうして例えば(1.1)ではなくて、(2,1)なのかな?などと思ってみていると、ぱっと、あ、◎×△だから(2,1)でないととんでもない計算になるからなんだ、と気がついたりします。
別に(2,1)が(3,2)でも何でもそうかわらないということもありますが、それなりに意味がある場合だって多い。
実は数学というものは、普通では解けないような問題の方が多いのです。コンピュータにデータ入れて、計算して値を求めるしかないような問題の方が遥かに多い。高校や入試で扱われている、キレイに解けるという問題は例外です。三角比だってとても限定されたものしか値が出ませんよね?つまりとてもとても特殊なのです。そして問題というのは解けるように作られているのです。条件は必ず与えられているし、与えられている条件は普通は全部使わない解けないようにできています。そしてその条件は、実は、かなり特殊な条件だったりすることも多いのです。それに気がついたらたいてい解けます。
こうして
問題文の全部を汲み尽くして、例えば式を立てることができれば、半分くらいは解けたようなものです。
だから混乱したり(時には、何を求めていたんだっけ?となることもありますよね?)、出口が見えなかったりしたときは、あるいはそうではなくても、必ず問題に何度も戻ってください。特にミスの多い人は絶対です。最後に見直すときは問題文から見てください。本当に問題文が要求しているに答えているかな、とそこから確認してください。
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