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(1) プロセス さまざまな問題でつめに実行してください。
(ア) 問題=条件から
① 問題文を読む
② 条件を洗い出す(全部洗い出す)
③ 洗い出した条件を、数式・図形・グラフのいずれかにする。
④ それらを論理的に可能な範囲で変形する。
⑤ 留意点・必要なスキル
1. 数式(等式・不等式の同値変形がキチンとできること) 可能な変形のバリエーションはすべて試してみればいいのです。見え方が変わります。
2. 条件からできるだけ正確な図形・グラフが描けること。グラフや図形も角度を変える、見方を変えて複数描いてみること。
3. 決定条件を考える。何が何をどう決定しているのか?あるいは決定していないのか。図形の問題などでは、図形が一意に決定しているのかしていないのかの判断は決定的に重要です。
4. 抽象的なものを具体的な姿で掴む。具体的なものを一般化してみる。
(ア) 特に場合の数や確率、数列などは格好の練習素材です。
(イ) 場合の数では、何度も何度も数え上げてみる。その際、一般的な論理=数式化=立式することを視野に入れて数える。キチンと数え上げることができれば立式できます。
(ウ) 数列など、例えば漸化式などで与えられている場合、具体的な姿を掴むこと。そこに立ち戻って考えること。具体的なものの中に論理がある。
(エ) 逆に具体的に与えられているものは、その中に論理を掴むこと。
5. それらの姿を変えながらゴールが要求しているものを考える。数学的センスというものはこの段階で発揮されるべきもの。ここまでは、悪く言えばただの作業でもある。一定の正確な知識があれば誰にでも必ずできるもの。
(イ) ゴール=帰結から
① 何が要求されているのか?
② 求値問題であれば、多くの場合、方程式になる。どのような方程式になるのか。
③ 要求されているものを導き出すために、その一歩手前で必要なことが何かを明確にする。例えばx の値を求めるために、何がそのxを決定しているのか、何が求められたら良いのか=どのような方程式が、いくつできればよいのか、ということを明確にする。
(ウ) 自分の使える武器から考える
① 平面座標で角度を求めよ、といわれたら使えるものは限られている。
1. 三角比、cos sin tan のいずれか。余弦定理ないしはベクトルの内積、正弦定理、直線の傾き。
2. 図形的にアプローチする。三角形なら他の角度(内角の和から?)、3角形の特徴(辺の比が1:2:√3とわかるなど)。
② どのような定理があり、公式があり、使えそうなもの、関連しそうなものは何か。それらと、問題文からの条件、ゴールからの要求を並べてみていると、その間に一本の線が見えてくる。
1. この線が見えてくるところは演習量であり、センスでもあります。センスは演習量に裏打ちされる。
2. しかしセンスも、それを発揮する対象が定まっていなければ生まれない。直感は直感の素材がなければ発揮できない。それが働ける場をつくるところまではギリギリと論理的・必然的なプロセスとして煮つめていく。逆に言えば、誰にでもできるプロセス。
(エ) 結局問題を解くと言うことは、
① 上記の (ア)×(イ)×(ウ) のプロセスなのです。これを徹底的にやってみることです。
② 解けないときは条件を落としている。あるいはその使い方が悪い。立式はしたがそこからの変形を何もしていない…ということが大半です。
③ 条件を立式することができていないこともある。これは単純に演習不足です。基本的な知識とその運用が足りない。基本を徹底的にさらってください。
④ しかし(ア)×(イ)×(ウ)だけではまだ解けません。ここまで下準備をして、それを睨んでその間につながるはずの道筋を見つけること。この発見のプロセスはセンスです。しかしこの段階では、問題=条件とゴール=帰結との間はとても短くなっています。ここまできても見えない問題であればそれは多分解けない。諦めて良い。でも、それらの間に、まだはっきり見えないけど、何か道がありそうな気がしてきたら粘ってください。問題文を読み直す。洗い出した条件を見直す。もう少し変形の仕方はないか、条件の立式の仕方は他にないか、考えてください。上手く言えないけれども、私の場合、格闘していた難しい問題が解けるまえには、何かモヤモヤとした形をもたないイメージのようなものが頭の中に浮かんできます。それが浮かんできたらたいてい解けます。しばらくそのイメージを掴もうとしていると、はっ!と気がつく。そして解ける。そんな感じです。
⑤ 私は才能があるわけでもありません。ものすごく勉強をたくさんしていろんなことを知っているわけでもないような気がします。普通の人間が普通に解く感じです。だから結構、泥臭い解き方をします。たまには模範解答より優れたものをつくっているつもりですが。でもたいていは泥臭い。でも生徒よりは解けます。経験もある。その私が、上記のようなことを泥臭くやっているのです。君たちがスマートに解くのはちょっと早いよ。解けた方が良いけど、そうはいかない。もっともっともっともっと問題そのものと格闘してください。その格闘すると言うことは、(ア)×(イ)×(ウ)を粘り強くやってみることなのです。そうやって解けたとき、はじめて数学は面白いと思えるから。
(1) 問題を解くことは、
(ア) 問題で与えられた条件をすべて踏まえ、吟味し、
(イ) 定義・定理に立脚し、また既知の解法があれば、それを媒介にし、
(ウ) 条件から結論を引き出すこと。
です。たったこれだけのことです。シンプルに言えば条件からその帰結を引き出す。これだけのことです。実はこのことしかやっていないのです。別言すれば<すべては問題文とその条件のなかにある>のです。
いわゆる「解法」というものは、このプロセスをパッケージ化=ブラックボックス化したものです。だから知っていれば便利だけれども、中身を知らないと使い回せません。
また、例えば解法が1000あるとして、数学の問題はもっとはるかに多い。つまり数十倍、数百倍ある問題を、その1000に帰着させることが最も重要な課題になるわけです。既知の解法を2000にしたところで実は事態はそう変わらない。いわば200倍が100倍になるだけのことです。たいして変わりません。知らないより知っていた方が良い。知らないこと困ることもある。けれども多くことを知っていれば解けるわけではないと言うことです。
この<帰着させる>プロセスは、問題を解くという基本的なプロセスを踏まえなければ身につかない。
(2) 問題を解くこと 解答を書くこと
(ア) 数学的センスについて
① 数学的センスがある生徒もいます。正当な、正規のプロセスを経なくても解答の見当がついてしまう。図形的直観からほぼ値はこれ、と分かってしまう。そういう生徒は確かにいます。
② そういう数学的センスはあった方が良いけれども、まず問題を解くときには不可欠なものになりません。その手前の作業が決定的なのです。この手前の作業については後で述べます。
(イ) 微妙な、しかし決定的な混乱ないし混同
① 問題を解く
1. 問題の条件を解きほぐし、使える定理や公式を吟味し、要求されている結論にむかっての筋道を探っていくプロセス。
2. 分析的で問題の本質を探っていく思考の働き。
② 解答を作り上げる
1. すでに貴保的な方向が捉えられ、ゴールの姿が見えた中で、問題から帰結まで一つの論証として筋道を立ててプロセスを描き上げること。
2. 演繹的・総合的で、見えている帰結に向かって論理を構築していく思考の働き。
③ これらは全く違う。論理学的にも<帰納法>と<演繹法>はお互いに補いながら、まったく逆方向を向いているプロセスです。そして問題を解き、解答を書き上げるためには、まず分析的・帰納的にその本質を掴み、その上で演繹的に展開していくことになります。
④ これらを混同しているケースが非常に多い。問題を掴み、ゴールが見えるだけで良しとするケース(解答としてキチンと書き上げることをしない。これは採点外になってしまいます)、逆に、いわば問題を解く=解きほぐすことをせずに解答を書き上げようとするケース。これは問題が解けません。知っている場合は解けるけれども、ちょっと見知らぬ問題になると全く解けなくなる。
(ウ) 解きつつ考える、考えつつ解答を書き、解答を書きつつ細部を詰めていく。
① それらの総合的な働きが<問題を解く> という行為です。その一つのプロセスが欠けていると結局、最終的な答案の形になって提出することができません。
② 今回は特に、問題を解きほぐすために私や講師が半ば無意識にやっていることをまとめました。
③ もう1枚にそれをまとめました。特に必要な人は自分が勉強するときの壁にでも貼っておいてください。そしてつねに、すべてやるべきことをやっているかどうか確認してください。そのうち慣れたらいちいち見なくても自分でテキパキとできるようになるから。それまではいつも指針にするようにしてください。
以下、続く (高木)