英語で苦しんでいる生徒のみなさんは、必ず読んでください。
英語は必ずできるようになります。けれど、そのためには学習の仕方についてちょっと考えないといけないところがあります。
個別指導などの中できがついたことを書きます。
英語は、日本語とは別の言語です。これはかなり大切なことです。
まず
「言語である」という点。
一つは、必ずできるようになるということです。
これはとてもシンプルなことです。ある程度までの英語は、必ずできるようになります。英語圏の子どもたちは、学力などに関係なく英語はできますね? 当たり前のことです。日本に生まれ育っている子どもが、ある場合を除いて、不自由しないような日本語を身につけるのと同じです。
だから、言語は、必ず習得することができるのです。
時間と労力を投入すれば、必ずできるようになります。できないということは、あり得ないとすら思います。
二つめ。音声がとても大切です。
子どもの言語の習得は、<聴く><話す><読む><書く>の順番で基本的に進みます。<聴く><話す>は言葉をものにしていくためには、とてもとても大切です。
受験英語ではしゃべることができるようにはなりません。もともと<キチンと読むこと>を強く要求してきたので、しゃべるための試験にはなっていません。
けれど、聴くこと、口に出すこと、つまり音声は、言葉にとって本質的に大切なのです。
書いて覚えることも必要です。
けれど、単語を覚えられない、という生徒の多くが、単語を音声に変えていないことがわかってきました。音読もしていません。
どんどん聴いてください。聴くためのものは様々に出されています。そして声に出してください。音読してください。言葉は、音と文字(スペル)と意味が一体になって初めて成り立ちます。そのどれかが欠けていても言葉にならないのです。
英文の意味をしっかり掴めるようになる前にスラスラ音読できるようになってください。これはたくさん読めば必ずできます。できればCDを聴いて、それをまねてください。一番の早道です。そうすれば文章がどこで切れるのか、どういう塊になっているのかも自然にわかります。
では、日本語と別の言語だということの、「別の」という点です。
別の言語であるということは、まず一つめに、
言葉の仕組みが違うと言うことです。だから
日本語の仕組みから考えてはいけないと言うことです。英語は英語の仕組みから考えないといけないのです。
この仕組みの違いは文化とかものの考え方の違いにまで及びます。英語はまず結論がから始まるとか、そういうことです。とても大きな問題なのです。だから文の構造をつかむために文法をしっかりと学習しないといけないし、その出発点で、品詞・文型、さらに時制などをしっかりつかむことが必要になるのです。特に主語と述語を捉えられなければ意味はつかめません。中でも文の構造は、動詞が決定します。
基本的な動詞をしっかり身につけることは英語を学ぶことにとって絶対的な条件です。
次に、単語の問題です。
日本語の単語と英語の単語が一対一で対応していると思っていませんか?
それは違います。根本的に違います。
私は、単語の意味は、根本的には一つだと思っています。日本語にも多義語はありますが、基本的なその言葉のイメージは一つにまとめ上げられるものだと思います。
英語も同じです。ところが例えばget, takeなどの基本動詞などを辞書で見ると膨大な訳がつけてあります。それは実は、日本語と英語の意味の広がり方がずれているからなのだと思います。
難しい言い方をすれば、言語は、世界を分節化し切り分ける一つのシステムを作り上げているのです。虹を見て7色に見える文化=言語=民族があるかと思えば、5色に見える人たちもいるそうです。そうなると当然、その一つ一つの色に対する辞書での書き方は2色にまたがってきたりしますよね?
そういうズレ方をしているのです。別の言い方をすれば、自分の外側の世界を捉えるとき、そこに網をかぶせて、分類し、名前をつけて捉えていると思ってください。その網の目、その大きさ、位置が全然違うのです。だからこの単語にこの意味と一つになるわけがないのです。
だから、英語の単語を辞書でしらべて、その中のどの意味を使えばいいのかわからないときは、
日本語から、その訳から考えてはいけないのです。文の構造、英文の中でどういう働き方をしているのか、から考えなくてはいけないのです。そのために辞書には多くの用例がのっています。
必ずその用例を見て、それを英文を比べて、判断していってください。つまり英語そのものから単語の訳を捉えていかないといけないのです。
ついでに一つ。英語の単語を調べて、その日本語の意味を並べてみて、どの意味にすると上手く意味がつながるかな、と考えて和訳していたりしませんか?
よーく考えてみてください。その作業を思い浮かべてみてください。それは、何だか日本語の勉強みたいではありませんか?
英語を見ないで、日本語を見て考えていませんか?
実は、英語の勉強時間のかなり多くの部分が日本語の勉強になってしまっているケースがたくさんあります。それはどれほど時間と労力をつかっても、英語の勉強になっていないのです。
苦手だと思っている人は、特によく考えてみてください。そうなっていませんか?
最初は面倒くさいし、つらいけれど、
まずは主語と述語を探してください。そして目的語、補語を見つけてください。そのことができるようになるためには、ある程度、単語の品詞がわからないといけません。
単語を覚えるとき、品詞を意識してください。また、どの意味にしたらいいのかも、その単語がどういう品詞のものなのかがわからないと判断ができません。それから
特に動詞は、用例をみて、英文と比べて意味を確定していってください。
別のシステム、別の世界に入っていくのです。最初は面倒です。けれど、必ずできるようになります。
もう一度自分の勉強方法をみつめなおしてください。
ついでにもう一つ。
単語量を増やしてください。
どんな語学の天才でも例えば50語しかしらなければ絶対にしゃべったり読んだりはできません。
英語は地道な努力を要求します。けれど、逆に言えば地道な努力をすれば必ずできるようになります。その中のかなり大きな部分が単語です。
2年生の間に「速読英単語」の入門編は完了してください。そして
必修編に入ってください。できれば2年生の1月から3年生になるまでの間に1巡目は終わってしまいたいです。この2冊が完璧になっていれば、さしあたり名大の受験くらいまでは対応できます。(それ以上になると上級編が必要になりますが。)
英語は必ずできるようになります。ただし努力は必要です。けれど必ずできるようになる。そのためには英語を英語の中で考えるようにしてください。
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