毎日、クラス授業や個別指導、あるいは質問、そのやりとりを通して私たちも様々に学びます。
毎日、ご家庭に送られる指導の履歴を書いていて、これは全員に伝えた方が良いなぁと思うことが多々あります。
そこでその内容をブログにアップしていくこととしました。自分たちの学習や学習方法を考えていくための一助としてくれたと思います。
(なお具体的な生徒に即して書いたものをリメイクしていますから、原文とは少し違うことがあります)
「まぁそれくらいはできるよな」と思われがちな2次関数・2次方程式・不等式。しかしこれが高校数学のすべての土台です。ここに高校数学のエッセンスの多くが集約されています。そして本当のところは意外にできていないのです。今年の東大でもモロに2次関数という問題が出されています。当然、それ相応に厄介なものになっています。2次関数・2次方程式は深いのです。そして不等式になるとさらに、です。
この単元で、はじめて本格的に
①解の配置問題
②関数の決定
③最大最小と定義域・値域の変化、
④グラフと方程式、
⑤グラフの活用法、
⑥関数の平行移動、また相似拡大、
⑦さらには2変数関数、3変数関数、
⑧定数分離・変数分離などを通した数式の基本的な扱い方、
⑨その視覚化などを扱います。
実はこの2次式の扱いの中に
広大な高校数学のエッセンスがつまっているのです。
数学が弱い生徒のかなり多くがここのところの理解の浅さに根拠をもっています。
だから他の単元に入っても、それと並行してでも徹底的にやり抜いてください。
そして
数学を学ぶということがどういうことなのか、自分の肌で感じるところまでやり抜いてください。完全にOKというところまで他の単元と並行しながらやり抜く価値があります。
■数学でも他の教科でも同じですが、学習には縦糸と横糸があります。さらに思考と記憶があります。暗記というのは思考の土台であると同時に、思考の停止の場合もあります。前者は必要だけれども、後者は害悪です。
横糸というのは様々な単元を渡り歩いてはじめて見えてくるものがあるという意味です。例えば図形と方程式やっているときにはじめて2次関数の意味がはっきりしてくるというようなことです。
また縦糸というのは、
一つの単元を徹底的にやり抜くことで、その単元にとどまらず、もっと普遍的な事柄をつかみ取ることです。その両方が必要です。
■志望校に合格しようと思ったならば、まず最初は学力が足りません。当たり前です。
しかし学力がついてくる手前で絶対に必要なことがあります。
学習自身の、いわば<質><目線の高さ>とでもいうべきものが、その志望校に届いていなくて行けない。ここが届いていなければ、どれほど量を積み上げても合格はしません。頑張っても届きません。頑張り方が違ってしまうからです。
自分の中の物差しを変えてしまうことが必要です。「これだけできるようになったからこの単元はOK」という、
自分にOKを出すときの基準が「志望校の要求している基準」を越えていなければならないのです。
一つの単元に集中してやりきるとき、いままで捉えられなかった世界が開けてきます。あるいはそこまでやるということです。「あ、ここまでやルということなのか」という感覚を肌身で掴んで欲しいのです。自分の感覚で掴んで欲しいのです。これは教えて教えきれるものではないのです。
生徒自身の、君たち自身の<感覚の変容>だからです。同じ問題集を同じだけやっても生徒によって出てくる結果が大きく違うことの一つの要素がここにあります。
これは
一つの問題を解くときでも同じです。
1問解いた。答えを見た。ちょっと場合分けが違ってた。でもそれ以外はだいたいあっていた。
これを「あっていた」とする生徒と、「違っていた。だから解きなおす」とする生徒とでは半年、1年のうちに巨大な差がつくことは明らかです。自分に対するシビアさ、「できるようになった」という基準の高さ、物差しが違うのです。
この物差しを作り上げることが本当に大切です。3年生、受験本番は猛然と量をこなさなくてはいけない。その手前で<物差し>というレベルで志望校を越えておきたい。
そして量が必要です。この両方が有機的に結合すると盤石の土台ができて行きます。その第一歩を2次関数を徹底的に学びきることから掴んでください。
PR