忍者ブログ

大学受験予備校 "Veritas" のページ

大学受験予備校 Veritas ホームページ http://www.veritasnagoya.jp

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

分からないことは たくさんある=学ぶこと

 いま夏期講習で忙しくてちょっと中断しているけれども、リチャード・ファインマンという物理学者の『物理法則はいかにして発見されたか』という本を読んでいます。岩波現代文庫です。ノーベル物理学賞の受賞記念講演で、物理学とは何か、数学と物理との関係はどういうものか、物理法則とは何か、そんなことが書いてあります。高校生でも十分読める本です。なかなか面白い人で、いろんなもの書いています。

 私たちに分かっていること、分かっているととりあえず言えそうなことは本当にまだまだ少ない。そんなことを感じて欲しいなと思うことがあります。
 例えば物理法則として有名な慣性の法則。ニュートンの第一法則ですね。外力が働かなければ、静止しているものは静止し続け、運動しているものは、そのまま同じ速度でまっすぐに進み続けようとする。そういう「当たり前」の法則です。なんの力も働いていないものが急に動き始めたりしたらかなり困ります。

 けれども、「なぜ等速直線運動をしているものはそのまま運動し続けようとするのか」という問いにすら物理学はこたえることができないのです。なぜなのか分からない事柄の上に、それを大前提として物理学は存在しています。
 ニュートン以前の自然学は、その「なぜ?」を考えるものでした。しかしニュートン=近代物理学の確立は、その「なぜ?」を封印したところに成り立っているところがあります。とりあえず目の前の現象をしっかり説明できるなら良し、とするわけです。実験結果、観測結果と矛盾せず、これまでつくられてきた理論との整合性が着いていれば、差しあたり良いということです。
 わからないことは本当にたくさんあります。
 きっと正解がはっきりしないことの方が膨大に存在します。いや正解以上に、問題が設定されることの方が大切な場合が多いのです。

 目の前に起こること、目の前といっても実験データだったりするわけですが、それをまっすぐに捉えて、そこからいろいろなものを読み取って、どういう論理が働いているのかつかみ出す。ちょっとおかしなデータがあったりします。その時、そのデータに何かがそこにあるのか?と思う人と、都合が悪いなと思って無視したり、切り捨てたりすることとの間は思っているよりもはるかに微妙です。理解されないものは認識されなかったりするから。
 だからどんな教科でも、プロセスを大切にして欲しいなと思います。「正解」にそれほど意味があるとは思えない。むしろ、事実を自分の知識と思考力で捉え、そこに論理を見いだし、それを展開していくこと、それが大切だと思う。そんな力を身に付けていくことを考えて勉強して欲しいと思う。

 学校の先生や私などが教えたりすることは、必ずしも絶対的なのではないよ。教えながら、どうしてかな?と自分の中で疑問がわくことだってある。慣性の法則だって、どうしてですか?ときかれると答えようがないんだ。答えようがないことを、いまの段階では答えがないと明確にさせることも「科学」の役割の一つです。分からないことを分からないと言えることはとても大切なことなのです。それはとても『科学的な』態度なのです。
(まかり間違っても、適当に勉強すればいいということではないよ。念のため)
(高木)



 
PR

コメント

コメントを書く

お名前:
タイトル:
文字色:
メールアドレス:
URL:
コメント:
パスワード:   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

トラックバック

この記事にトラックバックする:

カテゴリー

カレンダー

03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

ブログ内検索

最新CM

アーカイブ

リンク

連絡先

HN:
高木敏行
性別:
非公開
自己紹介:
〒460-0008
名古屋市中区栄2-8-11
 永楽ビル3F・4F(事務=3F)
予備校 Veritas
e-mail veritas.nagoya@gmail.com
℡ 052-222-3886

Mail

最新TB

カウンター

バーコード

アクセス解析

RSS