忍者ブログ

大学受験予備校 "Veritas" のページ

大学受験予備校 Veritas ホームページ http://www.veritasnagoya.jp

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

小手先の技術に走らないように!!

 よく「受験数学」とか「受験英語」とか言われる。確かに受験という固有の形式から求められる固有の技術はある。例えば制限時間があること、ほぼ必ず「答え」がでること(ただ、以前に神戸大学で「解がない」ということが解答の問題が出されたことがあったと思う。まぁ、受験生にとってはかなり意地悪では ある。けれどもそれが本当の数学の姿でもある)。
だから数学だったらだいたい20分から30分くらいで一つの大問が解けるようにできている。センター試験でも問題数も構成もほぼ決まっている。そこから「固有の技術」というものが生まれはする。例えばセンターの数学ⅠAで第4問(場合の数・確率)から解き始める受験生はほとんどいないだろし、国語の小説で主人公の気持ちになりきって没入してしまってもいけないだろう。自分が解きたい、面白そうな問題だからやってみたいなと思うものにこだわりすぎてもいけないだろう。

ここからかなり多くの誤解が生まれてくる。
つまり数学や物理・化学・生物、あるいは英語や日本史、世界史。そうした個々の教科(あるいは学問)の基本的なあり方(知識と論理)とは別にあたかも「受験数学」など「受験△◇」というものがあるかのように思うことだ。またそのようなことを「ウリ」にした参考書や問題集(いったいそれが何の参考になるのだろうかと思うけれども)、そういうものが溢れかえる。またそうしたことを教えるよと、楽ちんな道があるよ、とささやくような人たちも大勢いる。「10日間完成!」などとハデに書かれていたりする。

でも10日で完成などするわけがない。分かり切ったことだ。けれども、すがりたくなる気持ちが揺さぶられもする。
もし本当に10日で完成する場合があるとすれば、それは「あと10日で仕上げの演習をやれば完成!」というところまで積み上げてきた生徒の場合だけだ。ほとんどゼロから10日で完成するなら、大学は、そのようなことでは通用しないような問題に切り替えてくるだけだ。大学は「10日で完成した」学生など必要とはしていないのだから。


受験用の勉強であっても、そこに数学以外の、物理以外の、その教科の論理以外の何かがあるわけでは決してない。裏技のようにいわれるものの、実はその背景にキチンとした論理を背負っている場合が大半だ。(そうじゃない場合もけっこうあるけれども。)
けれども誤解した立場から、例えば数学なら数学そのものの勉強には向かわずに、どこにも存在しない「受験数学」の勉強に向かおうとする生徒が生み出されてくる。
するとどうなるか。
数学に背を向け、数学ではない「受験数学」にのめり込むのだから、力がつくわけがない。最終的に要求されているのは数学の力であって、「受験数学」の力ではないからだ。スポーツで言えばいくら対戦相手の研究をしても、基本的なその競技の力をつけていくことがなければ意味がないのと同じだ。


具体的には、「こういうのは受験に出るんですか?」と聞かれることがよくある。そういう問題の立て方は基本的に止めた方が良い。
その背後にある意識は「まともに数学の勉強なんかしないで、できるだけ楽をして合格できたらいいなぁ」という思惑だろう。まぁ確かにむやみに苦労しろとはいわない。気持ちは分かる。けれども、その発想は大きなマイナスになる。例えば走り高跳びで150センチのバーを、151センチ飛んで越える力をつけようとするようなものだ。そんなギリギリのラインを狙うなんて実に難しいことだと思う。けれども、その方が簡単だ、あるいは楽だ、という幻想がある。それは違うと思う。合否は確かに1点、2点で分かれる。けれども、合格最低点+1点を狙うなんて、とんでもなく難しいことだ。けれども漠然とそうした方向を向いていることを感じることが少なくない。

それ以上に、その問題の立て方は自分の意識をどんどん狭めていってしまう。このことの方が悪影響が大きい。
「これは関係ない、これはいらない、これもたぶんなくていい……」。
こうやっていくとドンドン知識や論理はやせ細る。本来、相互に連動し、一つの大きな体系、織物を作り上げているようなものが、バラバラに寸断され、あちらこちらに穴が開けられてしまう。そうやって自分で学力を壊していってしまう。これが恐ろしい。実際に「これは関係ない、これはいらない」ということは、自分の知識や思考力、発想力にブレーキをかけることにしかならない。いつもいつも一生懸命、自分の脳を鍛えないようにしている。そういうことになってしまう。それで本当の力がつくわけがない。
このくせがつくと本当に苦労する。場合によっては数年かけて自分自身の学力を壊してきてしまったという場合もある。

だから、特別なことをやれ、とは言わないけれども、正面から向き合い、キチンとした学習とそのあり方を作り出して欲しい。特に1,2年生のうちにそうしたあり方を作りたい。じゃないと勉強が本当につまらないものになるよ。
夏休み、しっかりと自分の課題と教科に向き合いたい。
(高木)

PR

コメント

コメントを書く

お名前:
タイトル:
文字色:
メールアドレス:
URL:
コメント:
パスワード:   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

トラックバック

この記事にトラックバックする:

カテゴリー

カレンダー

04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

ブログ内検索

最新CM

アーカイブ

リンク

連絡先

HN:
高木敏行
性別:
非公開
自己紹介:
〒460-0008
名古屋市中区栄2-8-11
 永楽ビル3F・4F(事務=3F)
予備校 Veritas
e-mail veritas.nagoya@gmail.com
℡ 052-222-3886

Mail

最新TB

カウンター

バーコード

アクセス解析

RSS